RTCがWordPress 7.0から除外——リリース直前に下された苦渋の決断
リアルタイムコラボレーション、WordPress 7.0への搭載を断念
WordPress 7.0の最大の目玉機能だったRTC(リアルタイムコラボレーション)が、正式リリースへの搭載を見送られることになった。
この決断は5月8日にMatt Mullenweg氏によって下された。Make WordPress CoreブログでAmy Kamala氏が発表した内容によると、除外の理由は「現在のアプローチがコアに組み込むのに十分な堅牢性を持っていない」という判断だ。具体的な懸念点として挙げられているのは、処理の競合状態(レースコンディション)、サーバー負荷、メモリー効率の問題、そしてファジングテストを通じて繰り返し検出されるバグだ。
なぜこの判断が重要なのか
RTCは元々、複数のユーザーが同一の投稿やページをリアルタイムで共同編集できる機能として、WordPress 7.0の核心として開発されてきた。当初のリリース予定日だった4月9日から5月20日への延期も、このRTCのデータベースアーキテクチャーを正しく設計し直すための時間確保が大きな理由だった。それだけに、リリース直前での除外は大きな決断だ。
ただし、チームはRTCが引き続き優先事項であることを明言している。将来のリリースに向けて開発は継続される。
RC4公開とWordCamp US 2026チケット発売
5月14日には二つのニュースが重なった。
まずWordPress 7.0のRC4(リリース候補4)がAmy Kamala氏によって公開された。5月20日の正式リリースに向けたスケジュールは変わらず、RC4では5月8日以降に対処されたコアのチケットがまとめられている。RTCが除外された今、プラグインやテーマの互換性確認が最終テストの中心となる。
同日、WordCamp US 2026のチケット販売も開始された。開催は2026年8月16〜19日、アリゾナ州フェニックスのフェニックス・コンベンションセンターだ。WordCamp USはWordPressコミュニティーが一堂に会す旗艦イベントであり、コントリビューターデイ・ショーケースデイ・セッション日程で構成される。
RTCの除外は失敗ではなく、誠実さの表れだ。数百万のサイトに影響するコア機能を、ファジングテストで繰り返しバグが出る状態のまま届けることのリスクは計り知れない。延期を経てなお見送るという判断は、「出荷する勇気」と同じくらい「待つ勇気」が重要だというオープンソース開発の現実を示している。
WordPress 7.0は、RTCを除いても多くの改善を含む重要なメジャーリリースだ。正式リリースを目前に控えた今、プラグインやテーマの開発者は早急にRC4での動作確認を済ませておくべきだろう。
ソース
* Make WordPress Core ↗
* WordPress News ↗
* WordPress Developer Blog ↗