WordPress 7.0のリリース日が5月20日に正式決定
WordPress 7.0の新しいリリース日は2026年5月20日に決定した。今週最大のトピックは、このリリーススケジュールの確定だ。当初は2026年4月9日にリリースされる予定だったが、3月末に問題が発覚し、延期が余儀なくされていた。4月22日にリリースコーディネーターのAmy Kamala氏がMake WordPress Coreブログに新スケジュールを公開した。
WordPressプロジェクトとしては、コントリビューターたちが世界中から協力し、必要なアーキテクチャー改善に取り組んできた数週間だった。リリースチームが掲げる目標は、WordPress 7.0を可能な限り安定した状態で届けること、そしてこのバージョン向けに計画してきた主要機能をすべて盛り込むことだ。
なぜ延期されたのか——RTCデータベースアーキテクチャー問題の経緯
2026年3月31日、WordPress 7.0のリリースサイクルを延長し、リアルタイムコラボレーション(RTC)のデータベースアーキテクチャーを正しく設計し直す必要があることが発表された。4月2日には、その具体的な内容を説明するフォローアップ投稿も公開された。
今回の状況は異例だ。リリース候補(RC)フェーズに入った後にベータ状態へ差し戻すというのは、公式ブログの記述によれば前例のない対応である。しかし、その理由は合理的で、現在のRTC実装にはパフォーマンスの問題があり、数百万のサイトにリリースする前に、後からパッチを当てるのではなく、より深いアーキテクチャー面での修正が必要とされていた。
RTCとは何か、なぜ重要なのか
RTCとは「リアルタイムコラボレーション」の略で、複数のユーザーが同一の投稿やページを同時に編集できる機能だ。Google DocsやNotion的な共同編集体験をWordPress本体に組み込もうというものであり、WordPress 7.0の目玉機能として長らく開発が進められてきた。
問題となったのは、この機能を支えるデータベース設計だ。RTCのデータベース設計では、post_metaベースの実装だとセッション中に永続キャッシュが無効化されるという問題があり、専用のテーブルを設計し直す必要があった。この修正は表面的なバグフィックスではなく、根本的なアーキテクチャーの見直しを伴うものであるため、リリーススケジュール全体に影響を及ぼした。4月17日まではプレリリース版の公開も一時停止され、その後、リリースチームとプロジェクト上層部が新しいスケジュールを決定し、遅くとも4月22日までに発表するという段取りになっていた。
そして予告通り、4月22日にMake WordPress Coreブログにて正式な新スケジュールが公開された。なお、直近のプレリリース版はRC2だったが、次に公開されるRC3は実質的にはベータ版として扱われる。ホスティング事業者に向けた互換性テストの呼びかけも行われる予定であり、リリースに向けた最終調整が続く。
PHP要件の変更にも注意が必要
今週の動向を整理するうえで見逃せないのが、PHPバージョン要件の変更だ。WordPress 7.0ではPHP 7.2と7.3のサポートが終了し、PHP 7.4以上が必須となる。PHP 8.2以上が推奨されている。
古いPHPバージョンで運用しているサイトにとっては、WordPress 7.0へのアップデート前にサーバー側のPHPバージョンアップが必要になる。5月20日のリリースまでには約4週間あるため、今のうちにサーバー環境の確認と対応計画を立てておくことが賢明だ。
WordPress PlaygroundにMCPサーバーが登場
WordPress PlaygroundにMCPサーバーが公式提供され、新しい@wp-playground/mcpパッケージとして利用可能になった。コマンド一つでClaude CodeやGemini CLIをブラウザーベースのPlaygroundインスタンスにWebSocketで接続でき、AIエージェントがファイルの読み書き、PHPの実行、サイト管理、ページ遷移などをローカル環境で行えるようになった。
WordPress管理画面に触れることなく、AIエージェントがPlayground上でさまざまな操作を行えるというのは、開発ワークフローにおいて大きな意味を持つ。テーマやプラグインの動作確認をAIと連携しながら進められる環境が、いよいよ現実のものになってきた。
今回のWordPress 7.0延期は、一見するとネガティブなニュースに映るかもしれない。しかし、リリース候補フェーズという最終段階でパフォーマンス問題に気づき、パッチで誤魔化すことなくアーキテクチャーの根本から見直す判断を下したことは、むしろプロジェクトの成熟を示している。
オープンソースの大規模プロジェクトでは、「出荷することの圧力」と「正しく作ることへのこだわり」の間でジレンマが生じやすい。今回、WordPressコミュニティーはその二択において後者を選んだ。数百万ものサイトに影響を与えるRTCのデータベース設計が、後から修正困難な状態でリリースされていたとすれば、長期的なダメージははるかに大きかったはずだ。
PHP 7.4以上への要件引き上げも、AIエージェントとの連携を見据えたものとして読むことができる。多くのサードパーティーAI SDKはすでに新しいPHPバージョンを必要としており、最低要件を低く保つとこれらのSDKを利用できないという現実がある。WordPressがAIエコシステムに積極的に関与していくためには、プラットフォームとしての技術的な土台を整える必要があった。
Playground MCPサーバーの登場は、その方向性をはっきりと示すシグナルだ。AIエージェントがWordPress環境を操作できるインフラが整いつつあり、今後の開発体験は大きく変わっていくだろう。
ソース
* WordPress 7.0 Release Party Updated Schedule ↗
* What’s new for developers? (April 2026) ↗
* Real-Time Collaboration ↗